日本語教師のとんとんです。
この夏は、小2の長女が2編の絵日記を書きましたので、その際に気づいた教え方のポイントを書き足しておこうと思います。
過去記事はこちら。
いつ書くか、先に決める
夏休みの宿題で一番大切なことは、最初に「いつやるかの計画」を立てることです。
(私自身は、7月中に全部終わらせる派でした!)
夏休みのはじめに日記を「いつ書くか」、大まかな計画を立てておいた方がいいと思います。
日常のどんな些細なことでも日記に書けるのですが、夏休みなので、何かのイベントを題材にすることが多いでしょうか。(例:花火大会、旅行、帰省など)
書く前に、感情を自覚化・言語化させる
そのイベントが終わって、すぐ日記を書くことになりますが、イベントの最中も、日記の題材にする予定であるということに(少しだけでも)意識を向けさせます。
具体的には「その時の気持ち、驚いたこと、うれしかったこと」などの感情を自覚化、言語化させます。
例えば、うちの娘は千葉の海で、初めて本格的な海水浴をしましたが、プールとの違いにとても驚いていました。
初めての経験、とはこんなに新鮮なものなのですね✨✨
このような素朴な感想を日記のメインにすれば、生き生きとした日記が書けると思います。
※日本語の文章はこのような素朴さが好まれる傾向がありますが、言語によっては(例えば中国語作文なは)ドラマチックなストーリーが好まれたりようですね…
(こちらの写真は千葉の岩井海岸です。波が穏やかで色々な生物もいて、大変美しいビーチです。)
書く目的を自覚すれば、やる気UP
「何のためにやるか」が分かると、やる気は上がるものです。
逆に言うと「なんで絵日記を書かなきゃいけないの?」「絵日記なんて、なんの役にたつの?」と疑問に思っている子どもは、やる気がなくなってしまいますね。
お子さんと一緒に考えてみてはいかがでしょうか。
娘の学校では絵日記が廊下に掲示されますので、友達、先生と楽しかった夏休みの記憶をシェアするために書く、と言えるでしょう。
また、自分自身が将来読み返して、その時の出来事や自分の感情を確認できる大事な記念にもなるでしょう。
そのような書く目的を決めれば、その「読み手」に向けて話しかけるような気持ちで書くことができます。
読み手を意識した文章
上にも関係しますが、読み手が具体的に決まれば、その人に良く伝わるような書き方をしようという意識が出てきます。
次に例を挙げます。
長女は日記に「ボラカイ島へ行きました」と書きました。
でも、これでは読み手の友人、先生はどこなのか(たぶん)分かりません。
✖️「ボラカイ島へ行きました」→
○「フィリピンのボラカイ島へ行きました」
としたほうが分かりやすくなります。
などと質問して、自分で考えさせるとといいでしょう。
上記は単純な例ですが、書いた日記は必ず読み返して確認させ、違う内容に読み取られる恐れはないか、確認する必要があります。
(こちらはフィリピンのボラカイ島の写真です。アジア有数の天然珊瑚砂のビーチです)
出来事の羅列はせず、1つのことを狭く深く書く
内容のポイントを絞って書くことは、とても大切です!
遠足の日記で「朝6時に起きました。それから学校に行って、バスに乗りました。バスで公園へ行って、それから…」などと書く人がいます。
でも、このような日記って読み手から見たら面白くないですね。
保護者や先生は、内容を絞る手伝いをしてあげましょう。
千葉の海で初海水浴をした後、フィリピンへ行き、そのころには海が大好きになっていた娘。魚を見るために、船から海に潜ってゴーグルで観察した話を作文のテーマにしました。
3段落構成(はじめ、なか、おわり)は書きやすい
本文は、「はじめ・なか・おわり」の4段落構成で書きます。
「はじめ」シンプルに状況説明
いつ、どこで、誰が、何をした
「なか」 感情を中心に出来事を記述
何にびっくりした、嬉しかった、困った、楽しかった
「おわり」 出来事のまとめ、今後の期待など
(例:大変だったけど、潜ってよかったです。次に行くときはもっと上手に泳げるようになっていたいです。)
「起承転結」は新聞コラムや漢詩のような芸術的な文章に使われるもので、難易度が高いので、子どもにお勧めしません。
絵日記は、生活科の観察日記などとは違います。「楽しかったこと」や「大変だったこと」などの感情を中心に書くことで、生き生きした内容になると思います。
狭く深い内容の日記に合わせた絵
ポイント5で、日記の内容を狭く深くするといいと書きました。絵もそれに合わせ「狭く深くする」とよいと思います。
「魚が餌を奪い合っていたこと」が一番印象に残った娘。
そのように日記に書いたのであれば、絵についても魚を中心に描くといいと思います。
※ 2016年8月20日の記事を大幅にリライトしました。