ヘッダー地面あり
日本語・日本語の授業 PR

【AI利用者も必見】AI時代の「AIに負けない」文章作成のコツ4選

1 記事の目的:AIに負けない文章を書くには?

わたくし日本語とんとん🐰は、作文教育が専門の大学教員です。

最近、多くの学生が、こっそりとAIをつかって作文を書くようになりました(注:私の授業ではAI利用はOKとしていますが、もし引用した場合は、それを示すように伝えています)

長年、多くの学生の文章を読んでいるおかげか、こっそりAIを利用して文章や発表スライドを書いていても、私は、すぐにそれと分かります✌️

この記事では、

1️⃣ なぜAI利用がわかるのか
2️⃣ 上記をふまえ、AIに負けない文章を書くにはどうすれば良いか

について、私の個人的考えを書きたいと思います。

書くことを学びたい
✅書くことを仕事にしたい

という方の参考になりましたら幸いです✨

2 大学教員からみた学生のAI作文の特徴

⭐️2.1 文章構造がワンパターン

学生のAI作文は文章構造がきちんとしていて論理展開がきれい、でも文章構造がワンパターンという特徴があります😆

AIは英語の論理展開パターンが利用されることが多いため、いつも話している時のその人とは違う文章の展開になってしまうんですね💦

たとえば、最終段落がいつも「このように」でまとめられるなど、接続表現もワンパターンだったりします。

これが

🐰  もしやAI作文なのでは?!

違和感につながってしまうのです💦

ここで余談なのですが、文章が下手な学生というのは、助詞(てにをは)や言葉のチョイスそのものだけでなく、「文章構成」が苦手なことが多いのです💡

そのため、文章力がないにも関わらず、文章構成がきれいだと、かえって、とってつけたようなAI使用に思えてしまいます💦

⭐️2.2 どうしてこれを書くのか、が書かれてない

AIを使った学生の文章にはもっとも大切な「書く目的」が書かれていないとか、あいまいになっているのがほとんどです。

✅ どうして、このテーマでこの作文を書こうと思ったのか
✅ この文章を書いて、読者に何を伝えたいか

これは文章を書くときや発表で、最も大切なところだと思います。
つまり「メッセージ性が弱い」ということになってしまうんだと思います。

⭐️2.3 具体例がなく、一般論で終わっている

AIの文章は、体験談などの具体例がなく、一般論で終わってしまいます。それはもちろん、AIですから、人生経験が豊富なわけはありませんよね😅💦

⭐️2.4 使われる言葉が、その人らしくなく不自然

ビジネス用語っぽかったり、学生らしくなかったり… AIの文章は、その人らしくない傾向があります。

たとえパーフェクトな正しさがなくとも、その人らしい表現が素敵だったりしますよね✨

留学生が間違った日本語を使っていても「素敵な表現だな」と思うことがありますし、谷川俊太郎さんの詩は、谷川さんらしさがある。

クラスの学生の作文が、みんな同じ語調だったら、ちょっと残念に思います🥺

⭐️2.5 あちこちから引用してまぜこぜ

様々な研究者や著者の意見やデータが、引用元を示さずに、まぜこぜになっていることもあります。

AIは複数の情報をまとめることは上手ですが、引用元を示すことはしません。

人の意見をまるで自分の意見のように書いたら、それは剽窃(ひょうせつ・つまりコピペのこと)となってしまうのです。

3 解決策:AIに負けない良い文章とは?

giulia-bertelli-dvXGnwnYweM-unsplash.jpgAIを利用しても、次のような点に気をつけて書けば、新時代にAIに負けない文章が書けるのではないかと、個人的に考えています。

☀️3.1 経験を生き生きと書く

AIにできないことといえば、個人的な経験を生き生きと書くことではないかと思います。

その人が、その時に経験した、心の動きや、感情がリアルに感じられるられるような文章はずっと心に残ります。

私が今まで読んだ学生の作文で今でも心に残っているものがいくつもあります。

・いじめや貧しさなどの過去の辛い経験、
・オリンピック出場を目指して頑張っている今の気持ち
・目標に向かって進んでいる若者らしい夢

使われる言葉は拙くても、人の心を惹きつける力があると感じます。

☀️3.2 「書く目的」と「読み手」の設定をきっちり行う

どうしてその文章を書くのか、誰に向けて書くのかを、最初にきっちりと決めます。

そうすると、その人に共感を持ってもらえるような内容や、感情表現を使うことができます。

学長のいう「🦁魂を込める」にも共通すると思うのですが、読み手への「伝えようとする気持ち」が共感を呼ぶ文章になると思います。

☀️3.3 まず自分で考えた後で、補助としてAIを使う

まずは、自分で文章のテーマや構成を考えた後で、AIは補助的に使うといいと思います。

以前、私の博士論文の研究で「作文が上手な学生」と「作文が苦手な学生」の比較をしました(2008年)。学生の隣について、作文を書く過程を詳細に観察していたんです。すると、次のような違いがありました。

🙆‍♀️ 作文が上手な学生:まず自分の頭で書く内容や文章構成を考えてから、
ネットで参考資料を検索していた。

🙅‍♀️ 作文が下手な学生:作文課題を、そのまま検索🔍にぶち込んだ

まずは、①文章の内容や文章構成は自分で考え、次に、②他の視点や反論を探すために、資料やAIなどのツールを使うといいと思います。

参考資料は、あくまで自分の意見のサポートなのです✌️

☀️3.4 引用で意見を補強!

引用する時は、引用元をきっちり書きましょう✨

ところで、引用は何のためにすると思いますか👀
私が考える「引用の目的」は、

✅ 自分の意見を補強するため

だと考えます。

自分と同じような意見を言っている人が他にもいるよ(権威性を示す)
・自分の意見の元となるデータはこれだよ(根拠を示す)
・反論あるだろうけれど、反論にも不備があるよ(前もって反論を予防)
・このテーマには、こんなことが言われてきたよ(先行研究の提示)

このようなものを示すのが引用で、引用は自分の意見のサポートなのです🔥

半分以上が引用で構成されている文章だったら、引用元を示したとしても、自分のアイディアのサポートとはいえず、コピペとほぼ同様となってしまうかもしれませんね!

まとめ

122c0c8011b375547ff85ee3d888d7a3.jpg現時点で私が考えるAI作文に負けない方法は、次の4点です。

① 経験を生き生きと書く
② 「書く目的」と「読み手」の設定をきっちり行う
③ 自分で文章のテーマや構成を考えた後で、AIは補助的に使う
④ 自分の意見のサポートとして引用を使い、引用元をきちんと示す

これからのAIの進歩を考えると、この4つは変わっていくこともあるかと思います。ただ、いくらAIが進化していったとしても、自分の頭で考えられる人はAIを利用する側でいられるんじゃないかと感じています✌️

これは、今まで多くの学生の文章作成の過程を見てきて感じることです☺️

この記事が、今後の文章作成のヒントになりましたら嬉しいです🙏

ABOUT ME
とんとん
東京と神奈川の大学で留学生に日本語を教えています。日本語教材を作るのが好きです。 経歴:中国の大学、大学院(青年海外協力隊)、元日本語能力試験作題委員(聴解) 博士(日本語・日本文学)

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA