今日は読売中高生新聞の大学生紹介ページ「マナビビト」2月3日の記事を紹介します。
この「マナビビト」欄では中高生に向け、大学生のリアルな生活が紹介されています。
今回、順天堂大学スポーツ研究科学部4年の阿部暖(ほのか)さんの卒論の研究が大変興味深かったので、ご紹介したいと思います。
スポーツ選手の「燃え尽き症候群」(バーンアウトシンドローム)について調べていたところ、「燃え尽きと競技以外のストレスとの関連についてはあまり文献がない」と気づき、卒業論文では「競技以外の日常的なストレスが、どれだけ燃え尽きに関連するか」をテーマにした。
学内でアンケートを実施するなどして、特に学業や対人関係が原因で生じるストレスが、燃え尽きにも関連しているとの結論を得られたという。
【引用元 読売中高生新聞2023年2月3日 8面】
大学で、日本語を学ぶ人の中には、意外なことにスポーツ選手が結構います。私が担当したことがあるのは、相撲、柔道、ラグビーの学生でした。
彼らは、全く日本語がわからない状態で、高校に入り練習づけの日々を送ります。
とある学生は話してくれました。それでも、大学に入る頃には上手に喋れるようになっている方がほとんどです。
でも…
初回の授業でレベルチェックをしてみると、カタカナどころかひらがな表記も不正確だったり、自己紹介文すらしっかり書けないことも多いのです。
高校は日本語学校ではないので、文字表記からきちんと教える、とか初級から文法を積み上げて学ぶというのは難しいのかもしれません。このような状態で、高校の授業はわかるはずがありません。大学の授業も、日本語クラス以外はついていくのは難しいでしょう。
日本語の不自由さは、まさに上にあるような「学業や対人関係」の問題に直結するので、ここをクリアすることでスポーツの成果も出せるのではないかと感じています。
一見上手なのに、実はほとんど分かっていない、というために、ディクテーション(音を聞いて文字にする)を取り入れていました。「エーガ(映画)」が「えが」でも、「えーが」でもなく「えいが」であると知らないと辞書も使えず、知識が積み上がっていかないからです。
私の職場では日本語の部門と、スポーツのコーチがそれぞれの学生について緊密にやりとりできる環境がありました。そのようなシステムも、とても大切だと思っています
スポーツをやっている学生だけでなくても、大学受験だったり、大学での研究・勉強が原因だったりして、燃え尽きてしまうことはよく見られます。学生なら「学業」も「対人関係」も生活の大部分の時間を占めます。今後も配慮を続けていきたいと思わされる記事でした。